貝ヶ森皮膚科

犬にも効く漢方薬

 我が家にはトイプードルがいます。
 色はレッド(茶色)です。 当時は生後4ヵ月で体重が700gでした。
食は細いものの、普通に食べて元気なのに痩せていて、まわりを心配させていましたが、その頃は皮膚がカサカサしてフケがいっぱい出るようになっていました。体がかゆいのか床に体を擦りつけたり、よく後ろ足で体を掻いていました。
眼も角膜に少し傷がついているから目薬をしっかりさすように獣医さんに言われてました。やせてるのは栄養が足りないからだ、もっと食べないと・・・と言われるばかりでした。でも嫌がるのに無理矢理に口に食べ物を詰め込むのも如何なものか・・・

 痩せていて、眼の乾燥があって、全身の皮膚が乾燥しているという状態は、漢方医学では血虚と言って、痩せたお年寄りのカサカサの湿疹によく使われる当帰飲子という漢方薬の適応症にぴったりです。

 犬にはタマネギやブドウなど、食べてはいけないものがあるのでヒトの漢方薬を犬に飲ませて大丈夫か?と思って二の足を踏んでいたのですが、インターネットで犬に当帰飲子を飲ませているのを見つけたので、家の子犬にも飲ませてみることにしました。当帰飲子が胃に負担をかけて食欲がさらに落ちたら困るので、おなかを元気にする六君子湯と一緒に飲ませてみました。

 それを飲ませてみたら・・・
まず毛の色が少し濃くなりました。
えっ?と思うかも知れませんが、家族みんなそう感じているので恐らく本当です。おそらく、皮脂の分泌が盛んになって、毛にツヤが出てきたためだと思います。まず色の変化は頭の後ろのあたりからしっぽに向かって広がり始め、徐々に体と前足に広がりました。後ろ足としっぽは最後でした。人間でもお年寄りの乾燥性湿疹は膝から下に好発するので、後ろ足としっぽが最後になるのも人間と似ていますね。フケもだんだん減っていきました。

 本当にカサカサでぼさぼさという感じの肌色だったのが少ししっとりツヤが出て茶色が強くなってきたようです。 その後は漢方薬をやめてもフケが増えるわけでもなく、元気に過ごしています。

 西洋医学の網から漏れてしまって困っている人は東洋医学など他のアプローチも是非どうぞ。
合えば、穏やかによく効きますよ。

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