「証」と「病」の関係
「証」 とは、
病理の本質を概括する、整体(人体)の反応状態のことで、
診察時の病位と病性を示し、
その時点での病変の本質を示します。
「病名」 も、
病変の本質の認識ですが、
その両者の違いは、
「病名」がその病因(起因菌など)と病理の特異な点を強調しているのに対して、
「証」は病気や病原菌の種類に関わらず、
邪気と生気が争っているのか、
血の巡りが悪くて水が滞っているのか 、
冷えているのか熱があるのかなど、
整体(人体)の反応状態を強調して
病変の本質を示すことにあります。
たとえば、アメリカの貿易センタービルのテロ事件でアメリカ人はとても怒っている一方で、アメリカを憎む人は密かに喜んでいるように、同じ事件に遭遇しても、その人の内面の要因によって、生じてくる反応は全く異なってくることは当然のことです。
それと同じように、あるウイルスに感染すると○○ウイルス感染症という「病名」がつきますが、同じウイルスに感染しても人によって反応が異なるのは当然で、その人の反応状態を示すのが「証」だと説明してくれています。
その「証」に従って漢方薬や鍼灸、按摩などで治療するのが中医学です。