気滞類証
1. 気滞証
気の働きが阻滞し、臓腑の機能がうまく働かない時に出現する証侯です。
主要な証侯は、
「脹」 「悶」 ひどい時には 「痛」 です。
痛みは脹るような痛みであることが多く、
移動する痛みで部位が定まらず、
触診をしてもしこりは触れないのが特徴です。
気がめぐれば、気滞の症状は緩解しますが、どんな時に気がめぐるのでしょう?
げっぷやおなら、などが出れば、少し症状が軽減します。
もう1つの特徴は、情志との関係が強く、
情緒の変化に伴って病状がよくなったり悪くなったりします。
脈は弦脈を呈します。
気滞によって、さまざまな病態を生じます。
気が滞れば化火したり、痰湿を生じたり、血オを生じたりします。
2. 気逆証
気滞の特殊な証で、滞った気が体の上のほうに上逆する証侯です。
気逆の表現には3種類あります。
1つは咳などの肺気上逆。
2つめはしゃっくり、げっぷ、悪心・嘔吐などの胃気上逆。
3つめは奔豚と呼ばれる、肝気上逆。
病位が肺、胃、肝にあるのが気逆の特徴です。
ただ、気逆が起こる原因やその性質がわからないと、完全な証とは言えず、
根本的な解決にはなりません。
たとえば、咳がある場合、痰が原因であれば痰を除くことが不可欠ですし、
熱が原因であれば、清熱して初めて咳を止めることができます。